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作曲家に訊く 第7回『mirage』新舟 由希江


神奈川県出身。2019年3月に音楽・音響デザインコースを卒業。 作曲を山下康介氏に師事。 卒業後はフリーランスの作編曲家として活動するとともに、まだまだいろいろ勉強中。 最近よく聴く音楽は、大河ドラマ「平清盛」の楽曲。 趣味は寝ることと音楽を聴くこと。

 

——まず、この曲はどのようなテーマですか?

新舟「Mirageというのは、日本語で言うと蜃気楼(地上や水上の物体が浮き上がって見えたり、逆さまに見えたりする現象)という意味で、それと私的には幻想的なイメージです。今回ミュージカルの作品を作るにあたって、Theraさんという方から歌詞を頂きました。歌詞を見て私の印象は”生と死”がテーマだと思いました。」

——”生と死”がテーマというのは難しそうですね。

新舟「正直なところ、私にも具体的な意味というか、この歌詞はよく分からないんですよね。”君”というワードが何度も出て来て、たぶん”君”というのは歌っている自分にとって、凄く大切な人だったと思うんですよね。蜃気楼は”君”自身かもしれないし、”君”といた自分自身の過去や記憶だと思っています。解釈はいろいろあると思いますが、過去に囚われてしまっている、ただその中で未来に進んでいかなきゃいけない人達、そういう未来に対するメッセージはあるのかなと思います。」

——作詞者さんはどういった方なのですか?

新舟「Theraさんは私の友人でもあり、幻想的な言葉使いが得意なんですよね。私の作品も、はっきりしないふわふわした感じなところがあるので、なんとなく自分の曲と歌詞が合うのではないかと思いました。」

——幻想的に見せるために、どのような作曲の工夫をしましたか?

新舟「私はラヴェルやドビュッシーなど、印象派の音楽が好きなんですよね。音楽的に言うなら9thが入ったり11thなどの複雑な音を混ぜたり。そういう好きな要素は、きっと私の作品に現れていると思います。あと歌詞に合うように、魅力的なワードがあればハーモニー感を少し変えたりしました。」

——音楽活動はいつからしていますか?

新舟「2歳からヤマハ音楽教室に通っていて、ピアノは6歳から始めましたね。小学1年生からはは、その音楽教室で1年に1回は作曲したりもしていました。中学高校では合唱部に所属していて、そこでは簡単な編曲をしていました。それから作曲を本格的に学んだのは、大学入ってからですね。」

——大学生活をしていて、自分で学ばなければいけないと感じたことはありますか?

新舟「ジャズを聴く機会は増えましたね、音の進行を学ぼうと勉強したり。クラシックはチャイコフスキーくらいの時代で止まっていて、楽譜を見ながら様々なオーケストラを聴いて勉強しました。」

——高校生やこれから入学する方へ伝えるとするならどんなことでしょうか?

新舟「4年間というのは限られた時間なので、大学生活を大切にしながら過ごしてほしいですね。洗足は自主企画など、やりたい事が出来るチャンスが多いので、努力次第で充実した学生生活を送れると思います。」

——最後に、当日来てくださる方へのメッセージをお願いします。

新舟「未来に対する、希望のメッセージを届けられれば良いなと思います。歌詞が繊細で綺麗ですので、それをぜひ聴いていただきたいです。」







インタビュアー 内藤 雅人(2年)

ライター 内藤 雅人(2年)

撮影 檜垣 文孝(1年)

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